エディ

2012年に『Another』の見崎鳴×藤岡未咲の百合イラストを投稿してから、現在に至ります。

主なジャンルは『Another』『戦姫絶唱シンフォギア』『ひきこまり吸血姫の悶々』

『Another』の見崎鳴×藤岡未咲の姉妹百合に萌えた挙句に姉妹同士で結婚させて、子供まで…!
金木杏子×松井亜紀は誰が何と言おうと私の中では百合カップリングです!最近は杏子ちゃんが吸血姫化したり、何人も少女をとっかえひっかえしたり、みさき百合夫婦とスワッピングしたりとヤバい事になってます…

ガリィ×月読調ちゃんのR-18ネタを中心に活動中。ミラアルクのガチ百合エッチ本も描きたいと思う今日この頃です。
シンフォギアカップリングはエルザ×月読調、立花響×月読調、ミラアルク×シンフォギア装者、安藤創世×寺島詩織、マイナーなカップリングばかり、推していますが、メジャーな暁切歌×月読調も大好きです!

『ひきこまり吸血姫の悶々』はガチ百合皇帝でコマリ様のお母様であるユーリン様とも恋人だったカレン陛下がいるおかげでカレン陛下×ユーリン様に留まらず、カレン陛下はユーリン様の忘れ形見であるコマリ様を堕として、世界も百合ハーレムもみんないただきっと妄想しています!ユーリン様とコマリ様を狙う時点でガチ百合変態皇帝による母娘丼も成り立つので…

最近、特に吸血鬼が絡むとレズビアンダークに一気にどす黒く染まる傾向にあるので、閲覧の際はご注意を!!
そんな訳でよろしくお願いします。


◆好きなカップリング◆

■ Another
見崎鳴×藤岡未咲
金木杏子×松井亜紀
赤沢泉美×見崎鳴
赤沢泉美×杉浦多佳子
霧果×見崎鳴

■ 戦姫絶唱シンフォギア
ガリィ×月読調
キャロル×月読調
暁切歌×月読調
立花響×月読調
エルザ×月読調
小日向未来×月読調
安藤創世×寺島詩織
ガリィ×ミカ
ファラ×ガリィ
ミラアルク×シンフォギア装者
ミラアルク×XV観客の女の子
キャロル×立花響
マリア×立花響
シェム・ハ×立花響
立花響×雪音クリス
エルフナイン×小日向未来
小日向未来×暁切歌
シェム・ハ×小日向未来
母親(オリキャラ)×月読調

■ サガ・スカーレットグレイス
ネエちゃん×ウルピナ
マリオン×ウルピナ
ウルピナ×ユリア
マリオン×パトリシア
クローバー×マリオン

■ ロマンシング・サガ/ミンサガ
シフ×アイシャ

■ ロマンシング・サガ2
緋色の女帝×キャット
緋色の女帝×アザミ
キャット×アザミ
キャット×踊り子(人魚)
ロックブーケ×キャット
ビーバー×フロスティ

■ ロマンシング・サガ3
エレン×サラ

■ サガ・フロンティア
アセルス×白薔薇姫
アセルス×アニー
ライザ×アニー

■ サガ・フロンティア2
プルミエール×ジニー
ヌヴィエム×プルミエール

■ サガ2秘宝伝説(リメイク含む)
人間女×エスパーガール
エスパーガール×エスパーガール
人間女×人間女

■ ミカグラ学園組曲
一宮エルナ×御神楽星鎖

■ 刀使ノ巫女
​衛藤可奈美×十条姫和
​岩倉早苗×十条姫和
柳瀬舞衣×糸見沙耶香
古波蔵エレン×益子薫
獅童真希×此花寿々花
折神紫×燕結芽
衛藤可奈美×燕結芽
折神紫×十条姫和
衛藤可奈美×安桜美炎
十条篝×十条姫和

■ 終末のイゼッタ
イゼッタ×フィーネ
ゾフィー×イゼッタ

■ 転生王女と天才令嬢の魔法革命
ユフィリア×アニス
ティルティ×アニス
アニス×イリア
レイニ×イリヤ
レイニ×ユフィリア

■ 私の推しは悪役令嬢。
レイ×クレア
ロレッタ×ピピ

■ ひきこまり吸血姫の悶々
カレン陛下×ユーリン様
カレン陛下×コマリ
ミリセント×コマリ
峰永こはる×アマツ・カルラ
ヴィル×コマリ
サクナ×コマリ
ネリア×コマリ

■ キルミーベイベー
やすな×ソーニャ
あぎり×ソーニャ

■ ダンジョン飯
ファリン×マルシル

投稿日:2025年02月18日 06:18    文字数:11,411

これからもっとお話しようね

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ガリィに囚われてたハズの調ちゃんが創世さんと再会して、お互いに楽しくお話しちゃいます。結局、調ちゃんは創世さんと引き裂かれた挙句、ガリィに凌辱されるという悲惨な展開に相成ります…
シンフォギアXDの調ちゃんのお誕生日祝いのメッセージの中でも創世さんの「これから一緒にお話したいね」という台詞がすごく印象深かったので、書いてみた百合小説です。
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 シンフォギアを纏う歌姫達が世界の唯一の神になるべく、降臨したシェム・ハを討ち、彼女が惑星改造の為に築いた世界樹ユグドラシルを七つの旋律を奏で、瓦解させ、世界は無残な爪痕が癒えぬままに静かに動き始めていた。神の力は消え去ったものの、奇跡の殺戮者の残滓だけは消えず、関わった者全てを蝕みつつあったのだった……

 世界に七つの旋律が響き渡った日から幾星霜…
 「寒い訳だ…」
 ボーイッシュな少女、安藤創世は赤茶色で黄緑色のラインの入った暖を取るには些か頼りない薄手のコートには、不釣り合いの分厚いマフラーで首元や口の周りが隠れる程に巻き付ける。淡い桜色の毛糸で編まれたゴツイマフラーは普段の彼女の服装からも分かる様に創世の趣味ではないが「今日は寒くなりますのよ」と同棲しているルームメイトにして、恋人でもある寺島詩織に半ば、強引に首に絞めつけられたものだった。お嬢様言葉を使っているが、大胆不敵な彼女が深窓の令嬢とは創世には、到底、思えなかったが、今は最愛の恋人の為にマフラーを編んでくれた詩織にほんのちょっぴり感謝していた…
 「テラジにお土産でも買ってくかな…」
 首元のスマートな首輪という感じの小粋なチョーカーが隠れるのが嫌だと渋っていた創世だが、白と黒のストライプのシャツの上に青い上着を羽織り、黒く染められた革性のベルトで留めただけの軽装、薄手のコートと短く切り揃えた髪がスッポリ隠れるサイズのキャップだけでは、心許ない。ズボンに至っては短パンでムッチリの腿は丸出しである。運動部に時折、ピンチヒッターで駆けつけるスポーツ女子でもある創世にも、この寒さは答える。最愛の彼女のマフラーがなければ、途方に暮れていた事だろう。
 「そこでパフェでも、食べようよ!」
 「食べ過ぎだよ。お小遣いもピンチでしょ?」
 丸っこくて、可愛いうさぎの刺繍のある大きめのマフラーを一本でスッポリと二人一緒に巻きつけ、漫画や映画でたまに見かける二人マフラーのスタイルの小柄な少女が戯れている。
 「まるで…調ちゃんと切歌ちゃんみたいだ」
 ザババのギアに選ばれた小さな女の子二人、お互いに想い合い、小さな力と適合係数の低い歪な力は一つになり、大きな力に変わり、共に旋律を奏でた。ザババの片割れの紅刃シュルシャガナを纏う黒髪の少女、月読調。その小さな身体と苛烈だが、その中には、慈しみの心が確かにあり、その口遊み、旋律を紅い閃光と刃に変えて、シェム・ハと戦い、ユグドラシルを瓦解させた七つの旋律を最愛のパートナーにして、同じく、ザババの片割れ、煉獄イガリマを纏う少女、暁切歌とその仲間達と共に奏でた歌姫の一人…
 「調ちゃん…今頃、何してるのかな…」
 シュルシャガナのシンフォギア装者、月読調はユグドラシル崩壊の際、その爆炎の中に消え、現在も行方不明のままだった。切歌は最愛の少女の面影を求め、調の目撃情報を耳にする度に飛び出していった。調のいない空白を埋めるかの様にその鎌から繰り出される翠の閃光は強く、その一撃はより鋭くなっていった。実の妹だけでなく、FISの施設に囚われていた頃から、傍にいた調も失ったと気落ちするマリア・カデンツァヴナ・イヴを励まし続けていた。
 「今日…誕生日なのにね……」
 創世は戦場を駆ける調と会う事はなかったが、いつも、笑顔の切歌とは、対照的の物静かな少女、微笑み掛ける事はあってもその紅い眼光は移ろいでいて、誰よりも傷ついている者だけが見せる表情を浮かべていた。小さな身体には、収まり切らない痛みと悲しみを身の内に秘めているのだと…
 (もっと…話したかったな……)
 人と人とが触れ合えば、傷つかずにはいられない。普通の女の子でしかない自分が馴れ馴れしく、話しても良いものかと思っている間にあの小さな少女は純白の電脳の天使を思わせるギアを纏って、シェム・ハの手で紅く染められた天空へと飛び立ち、手の届かないどこかに消えていた。自分よりも大切なものができたのならば、それは愛なのだろう。ずっと依存していた最愛の少女以外にも、大切な人と触れ合える様になったのも、また、愛かも知れない。だが、創世はその調の想いに応えられないまま、今日まで、過ごしてきた。そして、ずっと親友だった少女、詩織と恋仲になったのを境に段々ともう一人の親友だった板場弓美との間に溝ができた事も感じていた。言葉が通じても、人と人が分かり合うのは、簡単な事ではないのだから…
 創世はコートのポケットからティラノサウルスの化石をあしらった蒼いシリコンケースに包まれたスマートフォンを取り出し、タップすると耳元に当てる。
 「テラジ…帰りはちょっと、遅くなるわ」
 テラジというのは創世だけが使う詩織のあだ名である。彼女らはまだ知る由はないが、十年後に二人共、大人になって、晴れて、婚姻の契りを結んでからもその名で呼ぶ事もあるところを見ると詩織も恥ずかしがりながらも満更ではないらしい…
 「それとさ…調(つき)神社の場所…分かる?」
 創世の突然の質問にキョトンとしながらも詩織は「お待ち下さい」と言って、検索を始める。うさぎ神社の場所と行き方を聞いた創世が通話を切ろうとした時だった。
 「創世さん…最近、未来さんがコートを盗まれて、ポンポンスーで放り出されたそうですから、くれぐれも気をつけて下さいませ!」
 「ヒナがリディアンのコート、無くしたって言ってたのそれか…」
 創世は同級生の女生徒である小日向未来に降り掛かった災難に同情するが、今は自分がその犯人に狙われるかどうかなんて、グダグダ言っている暇はなかったのだった。詩織から送られたマップを見ながら、創世は調神社を目指す…

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 調(つき)神社に創世が足を踏み入れた時は既に日は沈みつつあり、暗くなった空からは相も変わらず、雪が舞っていた。狛兎が祀られているその小さな神社はいつもより、ひっそりとしている様に感じられ、境内を歩くと雪混じりの砂利を踏み締め、耳障りな音を立てる。作りは古いものの、どことなく、愛嬌のある狛兎の像のおかげで「うさぎ神社」と親しみを込めて、呼ぶ者もいる。
 「いる訳ないか……」
 マフラーで口元を押さえながら、創世はため息をつく。白い息が冷たい風の中でサラサラ凍りついていく様だ。調が以前に兎が祀られている小さく、古い神社を訪れて以来、どことなく、よそよそしく、抜けない棘が刺さったかの様に思い詰めていた事があった。創世だけでなく、一緒に育った切歌とマリアでさえも調の本当の名は知らないのだ。この神社に「調」という文字がある…そうそうこんな偶然はないと思い、創世はこの地を訪れた。あの黒髪を結い、悲しみだけでなく、優しさと芯の強さも湛えた紅い瞳の小さな少女がいるかも知れないと…
 「眼もまっ赤で色白でどこかうさぎっぽかったもんな…」
 恐らくは調が聞けば、その紅い眼を更に腫らして、頬もまっ赤にして、起こるであろう軽口を叩く、創世だが、笑っているハズなのに、眼は笑ってはいない。背も高く、少年の様な弾んだ声、精悍さを感じさせる顔立ちだけに尚更、顔は笑っているが、心は笑っていない創世は傍から見れば、どこか、怖くさえ思われたのではないだろうか。
 「えぇっ…?」
 創世の後ろ、神社の門の傍辺りで少女の息が詰まるみたいな声がした。声の主が引き返したのか、その小さな足音がほんの少し、遠ざかる。その澄んだ声が耳を擽り、創世は振り向いた…
 「調ちゃん…?」
 踵を返し、神社を去る小さな少女。ツインテールにした黒髪が北風に靡き、その華奢な身体をぶかぶかのリディアン指定のコートで包んでいた後ろ姿…その表情こそ伺えないが、創世の瞳に映るその少女はあの幼さの残るシュルシャガナの歌姫に他ならなかった…
 (もし違ったら?……ううん!そんな事…!)
 人違いかも知れない、切歌や彼女らを口説き落とした響と親しいというだけであまり話した事がないから、拒絶される、そうでなくても何を話したら良いかも分からない。だが……
 (声を掛けないと…もう一生…会えないかも!!)
 創世は自然と早足になり、スニーカーが薄っすらと雪の積もる、石畳を蹴る。最愛の彼女が編んでくれたマフラーを解くと目の前の黒髪の小さな女の子の首元に巻きつけてやる。
 「誕生日おめでとう♥」
 ぶかぶかのコートのせいで白い肌が剥き出しになっている首筋にふわふわの温かい物が絡みつき、創世が秘かに会えるかも知れないと思っていた少女、月読調は「キャッ!」と悲鳴を上げる。

9k=

 「まずは温かいものどうぞ♥」
 久しぶりに聞く、創世の弾んでいて、人懐っこい声に驚いて、強張っていた調の表情が緩み、力なく、微笑んだ…
 「ありがとう…」
 淡い桜色のマフラーから創世の残り香と温もりを感じ、調は頬を染める。ユグドラシルの崩壊以来、久々に感じる、親しい誰かの温もりが心地良い…
 「あたしのバースデープレゼント♥気に入ってくれたみたいだね♥」
 本当は詩織が愛おしい恋人の為に夜なべして、編んでくれたマフラー。創世が他の女の子とじゃれ合っているだけでも、ヤキモチを妬いて、腹黒いお嬢様の本性を剥き出しにする詩織だが、ずっと、行方知れずになっていた小さな歌姫を想っての事。きっと、怒りはしないだろう。
 「誕生日…覚えてて……くれたんだ…」
 本当の名前さえ知らない少女、「月読調」という名と同じで2月16日という誕生日も実験用のモルモットのデータ管理の為に彼女が育てられたFISの施設より、与えられたものでしかなかった。誕生日も祝ってもらえずに無機質な白い世界の中で育った調…最愛の切歌や先頭に立って、戦ってくれたマリア、「フロンティア事変」の最中に命を落とした「マム」と呼んでいた初老の女性であるナスターシャ教授以外の誰かの温もりに触れ、いつも、寒い冬が何だか、温かくなった様にさえ感じていた。あまり、話した事のなかった創世が久々に会えたのを喜んで、その温もりがまた蘇ってくる様だった。背も高く、スポーツで鍛えた創世の身体は切歌よりも少し、引き締まっていたがその心地良さと温かさに包まれる感覚は女の子の肉体特有のもの…
 「お互いに親睦を深めようよ♥女同士で♥」
 詩織よりも背が高く、少し筋肉もついているとは言っても、創世はその細い身体にスッポリ収まる程の調の小さな身体を抱き締め、囁いてやる。高く、弾んだ声がハスキーな低温になり、心細かった調をしっかりと捕らえる…詩織が「イケメン女子」と惚気る一方で「女誑し」「ジゴロ」と釘を刺すのも然りである。
 「良いの?…その私…切ちゃん以外の子と…話すのに…あんまり……」
 小さな女の子がたどたどしく、小石を拾い上げるみたいな言葉、長い間、あの白い世界しか知らなかった調が震える声で想いを口にしている。創世はそれが少し心配であったものの、なんだか、嬉しくなってきた…
 「じゃあさ!これからもっともっとお話しようね♥」
 狛兎が見ている前で憚る事無く、ギューッと調を抱き締める創世の顔がパッと輝いた。調も気づけば、つられて、クスクスと笑っていた…
 「それよりも私をうさぎとか言ってませんでした?」
 「聞こえてた?」
 調の少し棘のある言葉に創世が「ごめんね」とテヘペロをする。

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 深々と冷え、ひと気のない境内も夜の闇に包まれ始める頃になっても、社の軒を借り、調と創世は話し込んでいた…
 (調ちゃん…可愛いなあ♥)
 いつも、笑顔の切歌に比べ、物静かで繊細な少女と思っていたが、いざ、話してみると、意外とおしゃべりで笑顔も見せてくれる調が創世は可愛くて、可愛くて、仕方なかった。
 「こりゃあ…ビッキーが懐く訳だよ」
 調が切歌とマリアと共にかつて、敵対したシンフォギア装者にして、歌姫というよりもガングニールのヒーローと言った方がしっくりくる少女、立花響。調に手を振り払われ、「偽善者」と嫌悪されながらも手を差し伸べ、調に「貴女が偽善じゃないと信じたい」とまで言わしめた。
 「それ…言わないで……」
 その後も響に噛みついた調は対峙した事もあってか、調は拗ねた子供みたいな口調になり、俯いてしまった。彼女持ちの響が手を出したくなる気持ちも分かるが、自分にも、この小さな少女にも、最愛のパートナーがいるのだ。友達にはなれても、深い関係になる訳はないと創世は高を括っていた。
 「じゃあ…ビッキーに今から、謝れば良いよ♥」
 「ダメ!!」
 創世が赤茶色のコートのポケットからスマホを取り出すと調の小さな手に掴まれて、遮られる。創世は調の頭を撫で撫でしながら、フフッと笑う。
 「大丈夫。ビッキーは許してくれるよ♥それとも、切歌ちゃんにラブコールする?」
 創世が苦笑いをしながらも優しく、調を宥めるが、調の指が手首に食い込み、呻き声を上げる。
 「ごめんなさい…」
 創世の手首を掴む、調の小さな手は段々と力が抜け、スルスルと解ける。創世の瞳に自分の傍で震える小さな少女の腕に「何か」に強く、掴まれた様な痣が飛び込んでくる。
 「ケガしてるじゃない!」
 創世に手首を掴まれても、調は「嫌!」と喉の奥から悲痛な声を絞り出す。ぶかぶかのコートはすぐに袖を捲る事ができた。紺色の分厚いコートで隠された調の腕には、痛々しい痣や傷痕が幾つも幾つもあった。
 「何でもない…」
 「何でもなくない!!」
 弓美や詩織からもお人好しと口を酸っぱくして、言われる、普段の創世からは考えられない様な剣幕で調の腕を掴み、首に巻きつけていたマフラーを剥ぎ取り、リディアンのコートのボタンを乱暴に外し、胸元を露わにさせる…
 「調ちゃん…!?」
 創世は息を呑んだ。開けたコートから覗かせる調の小振りな胸の膨らみ、鎖骨にも、紅い痕が点々と白い素肌に刻まれていた。創世が詩織と交わる際、そのふっくらした肉体、色白の肌に口づけを交わし、残す…キスマークと呼ばれるものであり、愛するのと同時にその子が自分のものである事を示す印。よく、見れば、歯型や痣もある…
 「もしかして…悪戯され……うぅぅっ!!!」
 創世の言葉が終わるか、終わらない内に白骨の様に白く、細い、それでいて、硬い腕に締め上げられ、邪悪な色に染まった蒼い瞳に睨まれたまま、唇を奪われる。ジタバタと暴れる創世は次第に惚けて、その場に倒れ込む…
 「ガリィちゃんの可愛い可愛い調ちゃんに手を出した罰♥」
 自分で自分を「ガリィちゃん」などと呼ぶ、暗いブルーのドレスに身を包んだ華奢な少女。蝋の様に白い肌、球体関節で繋がれた細い四肢からも彼女が人ならざる者である事は明らかだった。ガラスの様に透き通った蒼い瞳はリディアンのコートを纏った調、大好きな調と楽しそうに話をしていたボーイッシュな少女へと向けられ、口からはギザギザの歯を覗かせ、幼い女の子の様にも、しわがれたおばあさんの様にも、聞こえる笑い声には、嫉妬心や悪意が滲んでいた…
 「ガリィ…やめて……」
 調がガリィと呼ぶ少女はガリィ・トゥーマーン。「魔法少女事変」でシンフォギア装者に敗れ、その後、シェム・ハと戦うも全ての力を使い果たし、消え去った奇跡の殺戮者と恐れられた錬金術師キャロル・マールス・ディーンハイムの生み出した自動人形、オートスコアラーの1機である。「魔法少女事変」の最中に主であるキャロルの目的を成し遂げる為にマリアに倒され、廃棄躯体のボディで蘇るもノーブルレッドに仲間のオートスコアラー共々、打ち砕かれ、朽ちるままに朽ちた。ユグドラシルを崩壊させた七つの旋律、フォニックゲインがその朽ちた身体に満ち、再び、起動したのだ。元々、シンフォギア装者の纏うイグナイトモジュールによる呪われた旋律を集める彼女だからこその奇跡だった…
 「調ちゃんが悪いんだよ?」
 ガリィは意識を失った創世を抱き絞めたまま、にんまりと笑う。
 「死に掛けの調ちゃんに歌の力を分けてあげた恩も忘れて、他の女とあんなに楽しそうに…」
 フォニックゲイン、ある意味で胸の歌が満ちたガリィはユグドラシルの崩壊に巻き込まれ、純白の美しいシュルシャガナのギアも壊れ、引き裂かれ、歌も心音も段々と小さくなり、消えてゆきそうになっていた調を連れ帰り、想い出と共にその力を分け与えた。そして、以後も切歌に会わせる事もなく、廃墟となった、キャロルの居城、チフォージュシャトーに幽閉し、二人っきりなのを良い事にその幼さの残る肉体を弄び、想い出と共にその心の中もジワジワと蝕んでゆき、我が物にしようと凌辱し続けているのだった…
 「想い出…いっただきまーす♥♥」
 「やめて!!創世さんに何もしないで!!!」
 境内に響く、調の叫びが心地良いとばかりにガリィは創世に口づけ、想い出を吸い取る。創世がうっと苦しそうに身を捩らせ、息を漏らし、ガリィは眼を伏せて、うっとりとする。ガリィにも、切歌にも、見せない表情を電子の思考に刻んでゆき、満足しているかの様に……
 「御馳走様♥」
 古びた木の階段に創世を寝かせ、ガリィは口元を拭う。
 「創世さん!」
 創世にしがみ付く、調をガリィはヒョイと摘まみ上げる。
 「想い出だけって言ったでしょ?調ちゃんと駄弁ってたのを…美味しく、頂いたの♥」
 創世の命に別状はないと分かっても、一緒に笑い合っていた、掛け替えのない想い出を喰らわれた…そう思うと調はお腹の奥から熱くなり、性悪なお人形さんに噛みついていた。
 「悪い子ね!」
 ガリィは調に腹パンをかます。ギアのない調、ましてや、ガリィが未来から奪ってきたサイズの合わないコートの下はポンポンスーなのである。内臓が潰される痛みが走り、調は咳き込み、血の混じった唾液が口元からポトポト落ちる…
 「痛かった?すぐに治してあげる♥」
 ガリィは猫撫で声で調のお腹をスリスリと摩る。
 「帰ろっか?」
 ガリィの問い掛けに調は紅い瞳から涙を零しながら、首を横に振る。
 「じゃあ…こいつの想い出…息の根が止まるまで、吸い続けてあげようかな♥それとも、このまま、ちょん切っちゃおうか?」
 ガリィの手に冷たい風が舞い、それが霧の様に薄っすらと白くなったと思うとパリパリと音を立て、ガリィの細い手が凍りつく。性悪なお人形さんの手に纏った氷はつららの様に伸び、氷のランスとなって、創世の首にピタッと当てられる。ガリィがその気になれば、神聖なうさぎ神社に生首が転がる事になる…
 「ごめん…」
 調はお腹の痛みと創世を傷つけた苦い想いに涙を流し、ガリィにお願いした。性悪なお人形さんもそれを受け入れ、チフォージュシャトーに戻る為に用意した錬金術で錬成された結晶体、転送ジェムを取り出す。
 「久しぶりの里帰り…ここまでね」
 調は本来はこのうさぎ神社の娘…その確証はないが、彼女の中に眠る想い出、謂わば、時の隙間から見えた事実と目の前で最愛の母親を失った時に心が壊れてしまった悲劇を覗き見たガリィはそう捉えていた。尤もそれが真実だとしても、事故で両親を失って、その幼い心が砕かれ、想い出と共に閉ざした時、「月読調」と名付けられる前から、その少女は既に「死んでいる」事に変わりはない。調が幾ら、ガリィに里帰りだのなんだのと言われてもピンとこないのも当然の事なのかも知れない。
 「ガリィ…?」
 ガリィが転送ジェムを割ると光の魔法円が現れ、調と共にその姿は消え失せていたのだった。その時、一瞬だが、性悪なお人形さんらしからぬ、悲し気な表情を調はその眼に焼きつけた…
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 降り頻る雪は止み、地平線からほんの少しだけ、見える光が暁の様だ。それも何れは消えて、チフォージュシャトーの廃墟だけが聳える荒野は闇に閉ざされるのだろう…
 「あぁぁあぁぁぁあぁぁ!!」
 かつては奇跡の殺戮者たるキャロルが横になっていたであろう寝台をギシギシと軋ませ、調は生まれたままの姿で四つん這いになり、大きくお尻を振った。砂塵や瓦礫の散乱する床には、調には、些か、大きめの紺色のコートと蒼のドレスが無造作に放り出されていた…
 「お外でガリィちゃん以外の女と遊んだ罰ですよ♥」
 ガリィも暗いブルーのドレスを脱ぎ捨て、作り物と言えども、幼い少女の愛らしさのある身体で調の小さな身体に圧し掛かり、小振りなおっぱいを揉み揉みと解す。
 「いやぁぁ!!」
 調の白い肌は火照り、キスマークや生傷が絶えない小さな肉体からは血と汗が滴り、触れるだけでガリィの血の気のない蝋の様に白い肌、針の様に細い身体と球体関節で繋がれた四肢が軋み、体内に仕込まれた装置がポロンッと鳴る…
 「身体は嫌って言ってないよぉ♥♥」
 ただの作り物でしかない身体、乳首のないつるんっとした陶器の様な小振りな白い乳房に調の体温が伝わってきて、血の気のない蝋の様な肌が淫靡な熱に侵され、小さな歌姫の心音が伝わり、体内に心の臓があるかの様にガリィは疼き、呻き声を上げる…
 「熱くって…ガリィちゃん…おかしくなりそう♥」
 ガリィは調のおっぱいをギューッと握り潰し、埃臭いシーツに押し付けた。まるで無理矢理、交尾させられる雌猫みたいに調はジタバタと肢体を動かす事もできずにその未熟な身体を何とか暴れさせるだけだが、それもあっけなく、ガリィの白い腕に乳房を潰されながら、乳首を刺激され、御される。
 「あぁ…っ!…んぅ♥」
 四つん這いでお尻を突き出した格好で突っ伏したまま、お人形さんに圧し掛かられ、おっぱいを解され、それにも飽きるとお臍の辺りやお腹の辺りを弄られる屈辱的な交わりのハズなのに、調はシーツをギューッと握り締め、全身を蝕む感覚が甘い苦痛に変わり、段々とガリィを受け入れてゆく…
 「あんな…ガリガリのチャラい女より…ガリィちゃんの方が良いでしょ?」
 ガリィと創世の浅からぬ因縁は調の誕生日に始まった事ではない。呪われた旋律を収集する際に響を挑発する際、創世に「こいつ、性格悪ぅ!」と侮辱された上に後に彼女になる詩織に大胆不敵な態度で威圧されたのが、今となっても、ガリィには、なかなかに腹立たしい想い出となっていた。
 「創世さん…チャラくな…ぃ」
 調はハアハアと荒い息を漏らし、ガリィに抗議する…
 「根性腐ってる癖に…かわい子ぶってる……変態人形なんかより…ずーっと素敵だから!!」
 主にまで、性根の腐った人形と蔑まれたガリィの歪み切ったハートに調の言葉が鋭く、突き刺さり、嗜虐心一杯の厭らしい笑いが消え、見る見る、怒りと憎悪に染まってゆく。
 「いだぁあぁあぁぁぁ!!!!」
 ギザギザのガリィの牙が華奢な肩に食い込み、お腹が切り裂かれる痛みに調は悲鳴を上げる。ガリィは口元の血を拭う事も忘れ、調の肩に歯を立て、指先に冷気を集め、刃に変え、氷のネイルとでも言うべき、鋭利な爪で調のお腹をギィーッと引っ掻いた。シュルシャガナの歌姫の流す血で主の寝台は汚れ、血生臭い臭気が鼻孔を突いて、調は激痛と吐き気で藻掻く…
 「ごめんねぇ♥♥調ちゃんがあーんな酷い事を言うんだもん♥」
 氷のネイルで恥丘を撫で、ガリィはわざとらしく、子供染みた高い声で凌辱している調に謝る。
 「お詫びに痛いのも…苦しいのも…忘れさせてあげる♥」
 ガリィは猫撫で声で囁くと調をコロンッと仰向けにする。激痛に悶える調の両手を押さえ込んだまま、その小さな唇を己の唇で塞ぐ…
 「うぅぅ…!!」
 「しらべぇぇちゃぁぁ♥♥」
 クチュクチュと卑猥な水音が響き、舌を絡め取られ、歯茎の一本一本を撫でられると調はお腹や肩の痛みが段々と薄らいでゆくのを感じる。そして、少しずつ、身体を蝕む、甘い苦痛がお腹の内側だけでなく、その白い肌にも、広がるのを感じる。どこか懐かしさを感じる神社で創世と笑い合った事、切歌やマリアとも違う、繋がりを感じた事、傷ついた自分に手を差し伸べてくれたのさえ、蕩けていった…その純粋な想いを向ける相手は小さな女の子を辱めるのが嬉しくて、仕方ない性悪なお人形さんに向けられ始めていた。
 「ガリィ…苦しいよぉ……♥」
 溶け合う事もできずに様々な想いがグチャグチャと絡まり合い、心臓がジュクジュクと血を流し、傷口から膿んで、腐ってゆく、苦しみ、甘い苦痛に身を委ねて、楽になりたい想いと創世がくれた想いを守りたいという純粋な気持ちとが、ぶつかり合う調はその肢体をガリィの作り物の身体に絡ませる。
 「良いよ♥♥これで楽にしてあげる♥♥♥♥」
 ガリィの性器のないつるんっとした白い女陰がジュクジュク疼き、蜜を滴らせて、未成熟な女性器を覗かせる調の女陰に宛がわれる…
 「あぁぁんん♥♥♥」
 「イックよぉぉ♥♥♥」
 ガリィは腰を振って、調に種付けプレスをかまし、みっともなく、涎を垂らして、甘ったるい声を上げるお口をキスで塞ぐ…
 「しゅきぃぃぃぃ♥♥♥♥」
 パンパンッと未成熟な少女の肉体とまっ白な球体関節人形の身体とがぶつかり合う音が木霊し、ガリィの体内の装置はけたたましく、鳴り響き、ベッドがギシギシと大きく、軋んだ。調もガリィにだいしゅきホールドをかまし、悩まし気にお尻を振った…
 「ガリィイィィィィィ♥♥♥♥♥♥♥♥」
 「しらべぇえぇえぇ♥♥♥♥♥♥♥♥」
 調とガリィの細い腰と腰の間に濁り切った一閃が走り、血と埃に汚れたシーツに厭らしい染みを作る。
 「今度…は……ガリィちゃんの身体…綺麗にして♥♥♥」
 ガリィは調の傍にゴロンと寝転がると両脚を開き、両手を頭の後ろに組み、その細い身体、小振りなおっぱいや綺麗なカーブを描く、恥丘も晒す。
 「ガリィ…♥♥♥」
 調はトロンッとした表情でガリィの性器のないつるんっとしたお股に口づけ、舌を這わし、次第にガリィのお口から甘い喘ぎが漏れ始める…
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 「創世さん…」
 調神社の客間、布団で寝かされていた創世の眼に真っ先に飛び込んできたのは最愛の彼女、詩織の泣きじゃくる顔だった。小麦色の長い髪が額に張りつき、上気して、頬は紅潮していて、頬は紅潮している。クリーム色の分厚いコートのふんだんにある毛皮も雪が積もったのか、グッショリと濡れている。
 「テラジ…」
 創世は寝惚け眼で詩織に手を伸ばし、詩織は白い手でそっと包み込む。じっとりと汗ばんでいる。ここまで、急いで来ただけでなく、最愛のイケメンな彼女を失うかも知れないという想いで、先程まで、気が気でなかったのだろう…
 「神社の方が知らせてくれましたの…」
 神社の社の傍で意識を失っていた創世を巫女が見つけて、ずっと、介抱していた。詩織も創世の帰りが遅いので、痺れを切らし、彼女のスマホにコールしたところ、創世のスマホを預かっていた巫女からの一報で慌てて、駆けつけてきたのだった。親友二人が恋人同士になったのに辟易してこそいたが、創世と詩織も本当の友達である事に変わりないとばかりに詩織と一緒に駆けつけてくれた弓美は運動不足の上に疲れが祟り、詩織に促されるままに毛布を一枚だけ掛け、詩織の傍で寝息を立てていた…
 「何がありましたの?」
 アーモンド形の瞳を潤ませ、涙を浮かべ、詩織は創世の顔を覗き込む。
 「神社で…し…ら…!!!」
 この小さな神社で一人の少女と、再会を待ち望んでいた誰かと会えたハズなのに思い出せない。頭がズキンッと痛み、その少女の顔は霧の中に消えてゆくかの様に朧気になってゆく…
 「創世さん!!」
 詩織は苦悶の表情を浮かべ、それでも、歯を食い縛って、思い出そうとする創世を見てられなくなり、詩織は声を荒げる。
 「無理なさらないで下さい」
 恋人の必死の訴えに創世は力なく、頷く。
 「いっぱい…話したハズなのに……笑うとすっごく…可愛くて……」
 ガリィに食い荒らされた想い出…その中で僅かに浮かび上がる小さな少女、あまり話した事はなく、クールで大人しいと思っていたハズのその少女が見せてくれた笑顔…
 「これからこれから…もっともっと…お話しようねって……」
 ズキズキと痛む頭に浮かぶ少女はずっと話したくても、話せなかった…やっと話せて、一緒に笑ったハズなのに……
 「創世さん…」
 後から後から涙が止め処なく、溢れる創世を詩織はそっと見守る事しかできずにいた…

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これからもっとお話しようね

キーワードタグ 戦姫絶唱シンフォギア  月読調  安藤創世  ガリィ・トゥーマーン  くりしら  誕生日  NTR  寺島詩織  R18 
作品の説明 ガリィに囚われてたハズの調ちゃんが創世さんと再会して、お互いに楽しくお話しちゃいます。結局、調ちゃんは創世さんと引き裂かれた挙句、ガリィに凌辱されるという悲惨な展開に相成ります…
シンフォギアXDの調ちゃんのお誕生日祝いのメッセージの中でも創世さんの「これから一緒にお話したいね」という台詞がすごく印象深かったので、書いてみた百合小説です。
これからもっとお話しようね
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 シンフォギアを纏う歌姫達が世界の唯一の神になるべく、降臨したシェム・ハを討ち、彼女が惑星改造の為に築いた世界樹ユグドラシルを七つの旋律を奏で、瓦解させ、世界は無残な爪痕が癒えぬままに静かに動き始めていた。神の力は消え去ったものの、奇跡の殺戮者の残滓だけは消えず、関わった者全てを蝕みつつあったのだった……

 世界に七つの旋律が響き渡った日から幾星霜…
 「寒い訳だ…」
 ボーイッシュな少女、安藤創世は赤茶色で黄緑色のラインの入った暖を取るには些か頼りない薄手のコートには、不釣り合いの分厚いマフラーで首元や口の周りが隠れる程に巻き付ける。淡い桜色の毛糸で編まれたゴツイマフラーは普段の彼女の服装からも分かる様に創世の趣味ではないが「今日は寒くなりますのよ」と同棲しているルームメイトにして、恋人でもある寺島詩織に半ば、強引に首に絞めつけられたものだった。お嬢様言葉を使っているが、大胆不敵な彼女が深窓の令嬢とは創世には、到底、思えなかったが、今は最愛の恋人の為にマフラーを編んでくれた詩織にほんのちょっぴり感謝していた…
 「テラジにお土産でも買ってくかな…」
 首元のスマートな首輪という感じの小粋なチョーカーが隠れるのが嫌だと渋っていた創世だが、白と黒のストライプのシャツの上に青い上着を羽織り、黒く染められた革性のベルトで留めただけの軽装、薄手のコートと短く切り揃えた髪がスッポリ隠れるサイズのキャップだけでは、心許ない。ズボンに至っては短パンでムッチリの腿は丸出しである。運動部に時折、ピンチヒッターで駆けつけるスポーツ女子でもある創世にも、この寒さは答える。最愛の彼女のマフラーがなければ、途方に暮れていた事だろう。
 「そこでパフェでも、食べようよ!」
 「食べ過ぎだよ。お小遣いもピンチでしょ?」
 丸っこくて、可愛いうさぎの刺繍のある大きめのマフラーを一本でスッポリと二人一緒に巻きつけ、漫画や映画でたまに見かける二人マフラーのスタイルの小柄な少女が戯れている。
 「まるで…調ちゃんと切歌ちゃんみたいだ」
 ザババのギアに選ばれた小さな女の子二人、お互いに想い合い、小さな力と適合係数の低い歪な力は一つになり、大きな力に変わり、共に旋律を奏でた。ザババの片割れの紅刃シュルシャガナを纏う黒髪の少女、月読調。その小さな身体と苛烈だが、その中には、慈しみの心が確かにあり、その口遊み、旋律を紅い閃光と刃に変えて、シェム・ハと戦い、ユグドラシルを瓦解させた七つの旋律を最愛のパートナーにして、同じく、ザババの片割れ、煉獄イガリマを纏う少女、暁切歌とその仲間達と共に奏でた歌姫の一人…
 「調ちゃん…今頃、何してるのかな…」
 シュルシャガナのシンフォギア装者、月読調はユグドラシル崩壊の際、その爆炎の中に消え、現在も行方不明のままだった。切歌は最愛の少女の面影を求め、調の目撃情報を耳にする度に飛び出していった。調のいない空白を埋めるかの様にその鎌から繰り出される翠の閃光は強く、その一撃はより鋭くなっていった。実の妹だけでなく、FISの施設に囚われていた頃から、傍にいた調も失ったと気落ちするマリア・カデンツァヴナ・イヴを励まし続けていた。
 「今日…誕生日なのにね……」
 創世は戦場を駆ける調と会う事はなかったが、いつも、笑顔の切歌とは、対照的の物静かな少女、微笑み掛ける事はあってもその紅い眼光は移ろいでいて、誰よりも傷ついている者だけが見せる表情を浮かべていた。小さな身体には、収まり切らない痛みと悲しみを身の内に秘めているのだと…
 (もっと…話したかったな……)
 人と人とが触れ合えば、傷つかずにはいられない。普通の女の子でしかない自分が馴れ馴れしく、話しても良いものかと思っている間にあの小さな少女は純白の電脳の天使を思わせるギアを纏って、シェム・ハの手で紅く染められた天空へと飛び立ち、手の届かないどこかに消えていた。自分よりも大切なものができたのならば、それは愛なのだろう。ずっと依存していた最愛の少女以外にも、大切な人と触れ合える様になったのも、また、愛かも知れない。だが、創世はその調の想いに応えられないまま、今日まで、過ごしてきた。そして、ずっと親友だった少女、詩織と恋仲になったのを境に段々ともう一人の親友だった板場弓美との間に溝ができた事も感じていた。言葉が通じても、人と人が分かり合うのは、簡単な事ではないのだから…
 創世はコートのポケットからティラノサウルスの化石をあしらった蒼いシリコンケースに包まれたスマートフォンを取り出し、タップすると耳元に当てる。
 「テラジ…帰りはちょっと、遅くなるわ」
 テラジというのは創世だけが使う詩織のあだ名である。彼女らはまだ知る由はないが、十年後に二人共、大人になって、晴れて、婚姻の契りを結んでからもその名で呼ぶ事もあるところを見ると詩織も恥ずかしがりながらも満更ではないらしい…
 「それとさ…調(つき)神社の場所…分かる?」
 創世の突然の質問にキョトンとしながらも詩織は「お待ち下さい」と言って、検索を始める。うさぎ神社の場所と行き方を聞いた創世が通話を切ろうとした時だった。
 「創世さん…最近、未来さんがコートを盗まれて、ポンポンスーで放り出されたそうですから、くれぐれも気をつけて下さいませ!」
 「ヒナがリディアンのコート、無くしたって言ってたのそれか…」
 創世は同級生の女生徒である小日向未来に降り掛かった災難に同情するが、今は自分がその犯人に狙われるかどうかなんて、グダグダ言っている暇はなかったのだった。詩織から送られたマップを見ながら、創世は調神社を目指す…

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 調(つき)神社に創世が足を踏み入れた時は既に日は沈みつつあり、暗くなった空からは相も変わらず、雪が舞っていた。狛兎が祀られているその小さな神社はいつもより、ひっそりとしている様に感じられ、境内を歩くと雪混じりの砂利を踏み締め、耳障りな音を立てる。作りは古いものの、どことなく、愛嬌のある狛兎の像のおかげで「うさぎ神社」と親しみを込めて、呼ぶ者もいる。
 「いる訳ないか……」
 マフラーで口元を押さえながら、創世はため息をつく。白い息が冷たい風の中でサラサラ凍りついていく様だ。調が以前に兎が祀られている小さく、古い神社を訪れて以来、どことなく、よそよそしく、抜けない棘が刺さったかの様に思い詰めていた事があった。創世だけでなく、一緒に育った切歌とマリアでさえも調の本当の名は知らないのだ。この神社に「調」という文字がある…そうそうこんな偶然はないと思い、創世はこの地を訪れた。あの黒髪を結い、悲しみだけでなく、優しさと芯の強さも湛えた紅い瞳の小さな少女がいるかも知れないと…
 「眼もまっ赤で色白でどこかうさぎっぽかったもんな…」
 恐らくは調が聞けば、その紅い眼を更に腫らして、頬もまっ赤にして、起こるであろう軽口を叩く、創世だが、笑っているハズなのに、眼は笑ってはいない。背も高く、少年の様な弾んだ声、精悍さを感じさせる顔立ちだけに尚更、顔は笑っているが、心は笑っていない創世は傍から見れば、どこか、怖くさえ思われたのではないだろうか。
 「えぇっ…?」
 創世の後ろ、神社の門の傍辺りで少女の息が詰まるみたいな声がした。声の主が引き返したのか、その小さな足音がほんの少し、遠ざかる。その澄んだ声が耳を擽り、創世は振り向いた…
 「調ちゃん…?」
 踵を返し、神社を去る小さな少女。ツインテールにした黒髪が北風に靡き、その華奢な身体をぶかぶかのリディアン指定のコートで包んでいた後ろ姿…その表情こそ伺えないが、創世の瞳に映るその少女はあの幼さの残るシュルシャガナの歌姫に他ならなかった…
 (もし違ったら?……ううん!そんな事…!)
 人違いかも知れない、切歌や彼女らを口説き落とした響と親しいというだけであまり話した事がないから、拒絶される、そうでなくても何を話したら良いかも分からない。だが……
 (声を掛けないと…もう一生…会えないかも!!)
 創世は自然と早足になり、スニーカーが薄っすらと雪の積もる、石畳を蹴る。最愛の彼女が編んでくれたマフラーを解くと目の前の黒髪の小さな女の子の首元に巻きつけてやる。
 「誕生日おめでとう♥」
 ぶかぶかのコートのせいで白い肌が剥き出しになっている首筋にふわふわの温かい物が絡みつき、創世が秘かに会えるかも知れないと思っていた少女、月読調は「キャッ!」と悲鳴を上げる。

9k=

 「まずは温かいものどうぞ♥」
 久しぶりに聞く、創世の弾んでいて、人懐っこい声に驚いて、強張っていた調の表情が緩み、力なく、微笑んだ…
 「ありがとう…」
 淡い桜色のマフラーから創世の残り香と温もりを感じ、調は頬を染める。ユグドラシルの崩壊以来、久々に感じる、親しい誰かの温もりが心地良い…
 「あたしのバースデープレゼント♥気に入ってくれたみたいだね♥」
 本当は詩織が愛おしい恋人の為に夜なべして、編んでくれたマフラー。創世が他の女の子とじゃれ合っているだけでも、ヤキモチを妬いて、腹黒いお嬢様の本性を剥き出しにする詩織だが、ずっと、行方知れずになっていた小さな歌姫を想っての事。きっと、怒りはしないだろう。
 「誕生日…覚えてて……くれたんだ…」
 本当の名前さえ知らない少女、「月読調」という名と同じで2月16日という誕生日も実験用のモルモットのデータ管理の為に彼女が育てられたFISの施設より、与えられたものでしかなかった。誕生日も祝ってもらえずに無機質な白い世界の中で育った調…最愛の切歌や先頭に立って、戦ってくれたマリア、「フロンティア事変」の最中に命を落とした「マム」と呼んでいた初老の女性であるナスターシャ教授以外の誰かの温もりに触れ、いつも、寒い冬が何だか、温かくなった様にさえ感じていた。あまり、話した事のなかった創世が久々に会えたのを喜んで、その温もりがまた蘇ってくる様だった。背も高く、スポーツで鍛えた創世の身体は切歌よりも少し、引き締まっていたがその心地良さと温かさに包まれる感覚は女の子の肉体特有のもの…
 「お互いに親睦を深めようよ♥女同士で♥」
 詩織よりも背が高く、少し筋肉もついているとは言っても、創世はその細い身体にスッポリ収まる程の調の小さな身体を抱き締め、囁いてやる。高く、弾んだ声がハスキーな低温になり、心細かった調をしっかりと捕らえる…詩織が「イケメン女子」と惚気る一方で「女誑し」「ジゴロ」と釘を刺すのも然りである。
 「良いの?…その私…切ちゃん以外の子と…話すのに…あんまり……」
 小さな女の子がたどたどしく、小石を拾い上げるみたいな言葉、長い間、あの白い世界しか知らなかった調が震える声で想いを口にしている。創世はそれが少し心配であったものの、なんだか、嬉しくなってきた…
 「じゃあさ!これからもっともっとお話しようね♥」
 狛兎が見ている前で憚る事無く、ギューッと調を抱き締める創世の顔がパッと輝いた。調も気づけば、つられて、クスクスと笑っていた…
 「それよりも私をうさぎとか言ってませんでした?」
 「聞こえてた?」
 調の少し棘のある言葉に創世が「ごめんね」とテヘペロをする。

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 深々と冷え、ひと気のない境内も夜の闇に包まれ始める頃になっても、社の軒を借り、調と創世は話し込んでいた…
 (調ちゃん…可愛いなあ♥)
 いつも、笑顔の切歌に比べ、物静かで繊細な少女と思っていたが、いざ、話してみると、意外とおしゃべりで笑顔も見せてくれる調が創世は可愛くて、可愛くて、仕方なかった。
 「こりゃあ…ビッキーが懐く訳だよ」
 調が切歌とマリアと共にかつて、敵対したシンフォギア装者にして、歌姫というよりもガングニールのヒーローと言った方がしっくりくる少女、立花響。調に手を振り払われ、「偽善者」と嫌悪されながらも手を差し伸べ、調に「貴女が偽善じゃないと信じたい」とまで言わしめた。
 「それ…言わないで……」
 その後も響に噛みついた調は対峙した事もあってか、調は拗ねた子供みたいな口調になり、俯いてしまった。彼女持ちの響が手を出したくなる気持ちも分かるが、自分にも、この小さな少女にも、最愛のパートナーがいるのだ。友達にはなれても、深い関係になる訳はないと創世は高を括っていた。
 「じゃあ…ビッキーに今から、謝れば良いよ♥」
 「ダメ!!」
 創世が赤茶色のコートのポケットからスマホを取り出すと調の小さな手に掴まれて、遮られる。創世は調の頭を撫で撫でしながら、フフッと笑う。
 「大丈夫。ビッキーは許してくれるよ♥それとも、切歌ちゃんにラブコールする?」
 創世が苦笑いをしながらも優しく、調を宥めるが、調の指が手首に食い込み、呻き声を上げる。
 「ごめんなさい…」
 創世の手首を掴む、調の小さな手は段々と力が抜け、スルスルと解ける。創世の瞳に自分の傍で震える小さな少女の腕に「何か」に強く、掴まれた様な痣が飛び込んでくる。
 「ケガしてるじゃない!」
 創世に手首を掴まれても、調は「嫌!」と喉の奥から悲痛な声を絞り出す。ぶかぶかのコートはすぐに袖を捲る事ができた。紺色の分厚いコートで隠された調の腕には、痛々しい痣や傷痕が幾つも幾つもあった。
 「何でもない…」
 「何でもなくない!!」
 弓美や詩織からもお人好しと口を酸っぱくして、言われる、普段の創世からは考えられない様な剣幕で調の腕を掴み、首に巻きつけていたマフラーを剥ぎ取り、リディアンのコートのボタンを乱暴に外し、胸元を露わにさせる…
 「調ちゃん…!?」
 創世は息を呑んだ。開けたコートから覗かせる調の小振りな胸の膨らみ、鎖骨にも、紅い痕が点々と白い素肌に刻まれていた。創世が詩織と交わる際、そのふっくらした肉体、色白の肌に口づけを交わし、残す…キスマークと呼ばれるものであり、愛するのと同時にその子が自分のものである事を示す印。よく、見れば、歯型や痣もある…
 「もしかして…悪戯され……うぅぅっ!!!」
 創世の言葉が終わるか、終わらない内に白骨の様に白く、細い、それでいて、硬い腕に締め上げられ、邪悪な色に染まった蒼い瞳に睨まれたまま、唇を奪われる。ジタバタと暴れる創世は次第に惚けて、その場に倒れ込む…
 「ガリィちゃんの可愛い可愛い調ちゃんに手を出した罰♥」
 自分で自分を「ガリィちゃん」などと呼ぶ、暗いブルーのドレスに身を包んだ華奢な少女。蝋の様に白い肌、球体関節で繋がれた細い四肢からも彼女が人ならざる者である事は明らかだった。ガラスの様に透き通った蒼い瞳はリディアンのコートを纏った調、大好きな調と楽しそうに話をしていたボーイッシュな少女へと向けられ、口からはギザギザの歯を覗かせ、幼い女の子の様にも、しわがれたおばあさんの様にも、聞こえる笑い声には、嫉妬心や悪意が滲んでいた…
 「ガリィ…やめて……」
 調がガリィと呼ぶ少女はガリィ・トゥーマーン。「魔法少女事変」でシンフォギア装者に敗れ、その後、シェム・ハと戦うも全ての力を使い果たし、消え去った奇跡の殺戮者と恐れられた錬金術師キャロル・マールス・ディーンハイムの生み出した自動人形、オートスコアラーの1機である。「魔法少女事変」の最中に主であるキャロルの目的を成し遂げる為にマリアに倒され、廃棄躯体のボディで蘇るもノーブルレッドに仲間のオートスコアラー共々、打ち砕かれ、朽ちるままに朽ちた。ユグドラシルを崩壊させた七つの旋律、フォニックゲインがその朽ちた身体に満ち、再び、起動したのだ。元々、シンフォギア装者の纏うイグナイトモジュールによる呪われた旋律を集める彼女だからこその奇跡だった…
 「調ちゃんが悪いんだよ?」
 ガリィは意識を失った創世を抱き絞めたまま、にんまりと笑う。
 「死に掛けの調ちゃんに歌の力を分けてあげた恩も忘れて、他の女とあんなに楽しそうに…」
 フォニックゲイン、ある意味で胸の歌が満ちたガリィはユグドラシルの崩壊に巻き込まれ、純白の美しいシュルシャガナのギアも壊れ、引き裂かれ、歌も心音も段々と小さくなり、消えてゆきそうになっていた調を連れ帰り、想い出と共にその力を分け与えた。そして、以後も切歌に会わせる事もなく、廃墟となった、キャロルの居城、チフォージュシャトーに幽閉し、二人っきりなのを良い事にその幼さの残る肉体を弄び、想い出と共にその心の中もジワジワと蝕んでゆき、我が物にしようと凌辱し続けているのだった…
 「想い出…いっただきまーす♥♥」
 「やめて!!創世さんに何もしないで!!!」
 境内に響く、調の叫びが心地良いとばかりにガリィは創世に口づけ、想い出を吸い取る。創世がうっと苦しそうに身を捩らせ、息を漏らし、ガリィは眼を伏せて、うっとりとする。ガリィにも、切歌にも、見せない表情を電子の思考に刻んでゆき、満足しているかの様に……
 「御馳走様♥」
 古びた木の階段に創世を寝かせ、ガリィは口元を拭う。
 「創世さん!」
 創世にしがみ付く、調をガリィはヒョイと摘まみ上げる。
 「想い出だけって言ったでしょ?調ちゃんと駄弁ってたのを…美味しく、頂いたの♥」
 創世の命に別状はないと分かっても、一緒に笑い合っていた、掛け替えのない想い出を喰らわれた…そう思うと調はお腹の奥から熱くなり、性悪なお人形さんに噛みついていた。
 「悪い子ね!」
 ガリィは調に腹パンをかます。ギアのない調、ましてや、ガリィが未来から奪ってきたサイズの合わないコートの下はポンポンスーなのである。内臓が潰される痛みが走り、調は咳き込み、血の混じった唾液が口元からポトポト落ちる…
 「痛かった?すぐに治してあげる♥」
 ガリィは猫撫で声で調のお腹をスリスリと摩る。
 「帰ろっか?」
 ガリィの問い掛けに調は紅い瞳から涙を零しながら、首を横に振る。
 「じゃあ…こいつの想い出…息の根が止まるまで、吸い続けてあげようかな♥それとも、このまま、ちょん切っちゃおうか?」
 ガリィの手に冷たい風が舞い、それが霧の様に薄っすらと白くなったと思うとパリパリと音を立て、ガリィの細い手が凍りつく。性悪なお人形さんの手に纏った氷はつららの様に伸び、氷のランスとなって、創世の首にピタッと当てられる。ガリィがその気になれば、神聖なうさぎ神社に生首が転がる事になる…
 「ごめん…」
 調はお腹の痛みと創世を傷つけた苦い想いに涙を流し、ガリィにお願いした。性悪なお人形さんもそれを受け入れ、チフォージュシャトーに戻る為に用意した錬金術で錬成された結晶体、転送ジェムを取り出す。
 「久しぶりの里帰り…ここまでね」
 調は本来はこのうさぎ神社の娘…その確証はないが、彼女の中に眠る想い出、謂わば、時の隙間から見えた事実と目の前で最愛の母親を失った時に心が壊れてしまった悲劇を覗き見たガリィはそう捉えていた。尤もそれが真実だとしても、事故で両親を失って、その幼い心が砕かれ、想い出と共に閉ざした時、「月読調」と名付けられる前から、その少女は既に「死んでいる」事に変わりはない。調が幾ら、ガリィに里帰りだのなんだのと言われてもピンとこないのも当然の事なのかも知れない。
 「ガリィ…?」
 ガリィが転送ジェムを割ると光の魔法円が現れ、調と共にその姿は消え失せていたのだった。その時、一瞬だが、性悪なお人形さんらしからぬ、悲し気な表情を調はその眼に焼きつけた…
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 降り頻る雪は止み、地平線からほんの少しだけ、見える光が暁の様だ。それも何れは消えて、チフォージュシャトーの廃墟だけが聳える荒野は闇に閉ざされるのだろう…
 「あぁぁあぁぁぁあぁぁ!!」
 かつては奇跡の殺戮者たるキャロルが横になっていたであろう寝台をギシギシと軋ませ、調は生まれたままの姿で四つん這いになり、大きくお尻を振った。砂塵や瓦礫の散乱する床には、調には、些か、大きめの紺色のコートと蒼のドレスが無造作に放り出されていた…
 「お外でガリィちゃん以外の女と遊んだ罰ですよ♥」
 ガリィも暗いブルーのドレスを脱ぎ捨て、作り物と言えども、幼い少女の愛らしさのある身体で調の小さな身体に圧し掛かり、小振りなおっぱいを揉み揉みと解す。
 「いやぁぁ!!」
 調の白い肌は火照り、キスマークや生傷が絶えない小さな肉体からは血と汗が滴り、触れるだけでガリィの血の気のない蝋の様に白い肌、針の様に細い身体と球体関節で繋がれた四肢が軋み、体内に仕込まれた装置がポロンッと鳴る…
 「身体は嫌って言ってないよぉ♥♥」
 ただの作り物でしかない身体、乳首のないつるんっとした陶器の様な小振りな白い乳房に調の体温が伝わってきて、血の気のない蝋の様な肌が淫靡な熱に侵され、小さな歌姫の心音が伝わり、体内に心の臓があるかの様にガリィは疼き、呻き声を上げる…
 「熱くって…ガリィちゃん…おかしくなりそう♥」
 ガリィは調のおっぱいをギューッと握り潰し、埃臭いシーツに押し付けた。まるで無理矢理、交尾させられる雌猫みたいに調はジタバタと肢体を動かす事もできずにその未熟な身体を何とか暴れさせるだけだが、それもあっけなく、ガリィの白い腕に乳房を潰されながら、乳首を刺激され、御される。
 「あぁ…っ!…んぅ♥」
 四つん這いでお尻を突き出した格好で突っ伏したまま、お人形さんに圧し掛かられ、おっぱいを解され、それにも飽きるとお臍の辺りやお腹の辺りを弄られる屈辱的な交わりのハズなのに、調はシーツをギューッと握り締め、全身を蝕む感覚が甘い苦痛に変わり、段々とガリィを受け入れてゆく…
 「あんな…ガリガリのチャラい女より…ガリィちゃんの方が良いでしょ?」
 ガリィと創世の浅からぬ因縁は調の誕生日に始まった事ではない。呪われた旋律を収集する際に響を挑発する際、創世に「こいつ、性格悪ぅ!」と侮辱された上に後に彼女になる詩織に大胆不敵な態度で威圧されたのが、今となっても、ガリィには、なかなかに腹立たしい想い出となっていた。
 「創世さん…チャラくな…ぃ」
 調はハアハアと荒い息を漏らし、ガリィに抗議する…
 「根性腐ってる癖に…かわい子ぶってる……変態人形なんかより…ずーっと素敵だから!!」
 主にまで、性根の腐った人形と蔑まれたガリィの歪み切ったハートに調の言葉が鋭く、突き刺さり、嗜虐心一杯の厭らしい笑いが消え、見る見る、怒りと憎悪に染まってゆく。
 「いだぁあぁあぁぁぁ!!!!」
 ギザギザのガリィの牙が華奢な肩に食い込み、お腹が切り裂かれる痛みに調は悲鳴を上げる。ガリィは口元の血を拭う事も忘れ、調の肩に歯を立て、指先に冷気を集め、刃に変え、氷のネイルとでも言うべき、鋭利な爪で調のお腹をギィーッと引っ掻いた。シュルシャガナの歌姫の流す血で主の寝台は汚れ、血生臭い臭気が鼻孔を突いて、調は激痛と吐き気で藻掻く…
 「ごめんねぇ♥♥調ちゃんがあーんな酷い事を言うんだもん♥」
 氷のネイルで恥丘を撫で、ガリィはわざとらしく、子供染みた高い声で凌辱している調に謝る。
 「お詫びに痛いのも…苦しいのも…忘れさせてあげる♥」
 ガリィは猫撫で声で囁くと調をコロンッと仰向けにする。激痛に悶える調の両手を押さえ込んだまま、その小さな唇を己の唇で塞ぐ…
 「うぅぅ…!!」
 「しらべぇぇちゃぁぁ♥♥」
 クチュクチュと卑猥な水音が響き、舌を絡め取られ、歯茎の一本一本を撫でられると調はお腹や肩の痛みが段々と薄らいでゆくのを感じる。そして、少しずつ、身体を蝕む、甘い苦痛がお腹の内側だけでなく、その白い肌にも、広がるのを感じる。どこか懐かしさを感じる神社で創世と笑い合った事、切歌やマリアとも違う、繋がりを感じた事、傷ついた自分に手を差し伸べてくれたのさえ、蕩けていった…その純粋な想いを向ける相手は小さな女の子を辱めるのが嬉しくて、仕方ない性悪なお人形さんに向けられ始めていた。
 「ガリィ…苦しいよぉ……♥」
 溶け合う事もできずに様々な想いがグチャグチャと絡まり合い、心臓がジュクジュクと血を流し、傷口から膿んで、腐ってゆく、苦しみ、甘い苦痛に身を委ねて、楽になりたい想いと創世がくれた想いを守りたいという純粋な気持ちとが、ぶつかり合う調はその肢体をガリィの作り物の身体に絡ませる。
 「良いよ♥♥これで楽にしてあげる♥♥♥♥」
 ガリィの性器のないつるんっとした白い女陰がジュクジュク疼き、蜜を滴らせて、未成熟な女性器を覗かせる調の女陰に宛がわれる…
 「あぁぁんん♥♥♥」
 「イックよぉぉ♥♥♥」
 ガリィは腰を振って、調に種付けプレスをかまし、みっともなく、涎を垂らして、甘ったるい声を上げるお口をキスで塞ぐ…
 「しゅきぃぃぃぃ♥♥♥♥」
 パンパンッと未成熟な少女の肉体とまっ白な球体関節人形の身体とがぶつかり合う音が木霊し、ガリィの体内の装置はけたたましく、鳴り響き、ベッドがギシギシと大きく、軋んだ。調もガリィにだいしゅきホールドをかまし、悩まし気にお尻を振った…
 「ガリィイィィィィィ♥♥♥♥♥♥♥♥」
 「しらべぇえぇえぇ♥♥♥♥♥♥♥♥」
 調とガリィの細い腰と腰の間に濁り切った一閃が走り、血と埃に汚れたシーツに厭らしい染みを作る。
 「今度…は……ガリィちゃんの身体…綺麗にして♥♥♥」
 ガリィは調の傍にゴロンと寝転がると両脚を開き、両手を頭の後ろに組み、その細い身体、小振りなおっぱいや綺麗なカーブを描く、恥丘も晒す。
 「ガリィ…♥♥♥」
 調はトロンッとした表情でガリィの性器のないつるんっとしたお股に口づけ、舌を這わし、次第にガリィのお口から甘い喘ぎが漏れ始める…
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 「創世さん…」
 調神社の客間、布団で寝かされていた創世の眼に真っ先に飛び込んできたのは最愛の彼女、詩織の泣きじゃくる顔だった。小麦色の長い髪が額に張りつき、上気して、頬は紅潮していて、頬は紅潮している。クリーム色の分厚いコートのふんだんにある毛皮も雪が積もったのか、グッショリと濡れている。
 「テラジ…」
 創世は寝惚け眼で詩織に手を伸ばし、詩織は白い手でそっと包み込む。じっとりと汗ばんでいる。ここまで、急いで来ただけでなく、最愛のイケメンな彼女を失うかも知れないという想いで、先程まで、気が気でなかったのだろう…
 「神社の方が知らせてくれましたの…」
 神社の社の傍で意識を失っていた創世を巫女が見つけて、ずっと、介抱していた。詩織も創世の帰りが遅いので、痺れを切らし、彼女のスマホにコールしたところ、創世のスマホを預かっていた巫女からの一報で慌てて、駆けつけてきたのだった。親友二人が恋人同士になったのに辟易してこそいたが、創世と詩織も本当の友達である事に変わりないとばかりに詩織と一緒に駆けつけてくれた弓美は運動不足の上に疲れが祟り、詩織に促されるままに毛布を一枚だけ掛け、詩織の傍で寝息を立てていた…
 「何がありましたの?」
 アーモンド形の瞳を潤ませ、涙を浮かべ、詩織は創世の顔を覗き込む。
 「神社で…し…ら…!!!」
 この小さな神社で一人の少女と、再会を待ち望んでいた誰かと会えたハズなのに思い出せない。頭がズキンッと痛み、その少女の顔は霧の中に消えてゆくかの様に朧気になってゆく…
 「創世さん!!」
 詩織は苦悶の表情を浮かべ、それでも、歯を食い縛って、思い出そうとする創世を見てられなくなり、詩織は声を荒げる。
 「無理なさらないで下さい」
 恋人の必死の訴えに創世は力なく、頷く。
 「いっぱい…話したハズなのに……笑うとすっごく…可愛くて……」
 ガリィに食い荒らされた想い出…その中で僅かに浮かび上がる小さな少女、あまり話した事はなく、クールで大人しいと思っていたハズのその少女が見せてくれた笑顔…
 「これからこれから…もっともっと…お話しようねって……」
 ズキズキと痛む頭に浮かぶ少女はずっと話したくても、話せなかった…やっと話せて、一緒に笑ったハズなのに……
 「創世さん…」
 後から後から涙が止め処なく、溢れる創世を詩織はそっと見守る事しかできずにいた…

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