本文へ移動
pictGLand
作品ID10303
投稿日2025年02月18日 06:18
文字数11,411字

これからもっとお話しようね

ガリィに囚われてたハズの調ちゃんが創世さんと再会して、お互いに楽しくお話しちゃいます。結局、調ちゃんは創世さんと引き裂かれた挙句、ガリィに凌辱されるという悲惨な展開に相成ります… シンフォギアXDの調ちゃんのお誕生日祝いのメッセージの中でも創世さんの「これから一緒にお話したいね」という台詞がすごく印象深かったので、書いてみた百合小説です。

表示設定

 シンフォギアを纏う歌姫達が世界の唯一の神になるべく、降臨したシェム・ハを討ち、彼女が惑星改造の為に築いた世界樹ユグドラシルを七つの旋律を奏で、瓦解させ、世界は無残な爪痕が癒えぬままに静かに動き始めていた。神の力は消え去ったものの、奇跡の殺戮者の残滓だけは消えず、関わった者全てを蝕みつつあったのだった……

 世界に七つの旋律が響き渡った日から幾星霜…
 「寒い訳だ…」
 ボーイッシュな少女、安藤創世は赤茶色で黄緑色のラインの入った暖を取るには些か頼りない薄手のコートには、不釣り合いの分厚いマフラーで首元や口の周りが隠れる程に巻き付ける。淡い桜色の毛糸で編まれたゴツイマフラーは普段の彼女の服装からも分かる様に創世の趣味ではないが「今日は寒くなりますのよ」と同棲しているルームメイトにして、恋人でもある寺島詩織に半ば、強引に首に絞めつけられたものだった。お嬢様言葉を使っているが、大胆不敵な彼女が深窓の令嬢とは創世には、到底、思えなかったが、今は最愛の恋人の為にマフラーを編んでくれた詩織にほんのちょっぴり感謝していた…
 「テラジにお土産でも買ってくかな…」
 首元のスマートな首輪という感じの小粋なチョーカーが隠れるのが嫌だと渋っていた創世だが、白と黒のストライプのシャツの上に青い上着を羽織り、黒く染められた革性のベルトで留めただけの軽装、薄手のコートと短く切り揃えた髪がスッポリ隠れるサイズのキャップだけでは、心許ない。ズボンに至っては短パンでムッチリの腿は丸出しである。運動部に時折、ピンチヒッターで駆けつけるスポーツ女子でもある創世にも、この寒さは答える。最愛の彼女のマフラーがなければ、途方に暮れていた事だろう。
 「そこでパフェでも、食べようよ!」
 「食べ過ぎだよ。お小遣いもピンチでしょ?」
 丸っこくて、可愛いうさぎの刺繍のある大きめのマフラーを一本でスッポリと二人一緒に巻きつけ、漫画や映画でたまに見かける二人マフラーのスタイルの小柄な少女が戯れている。
 「まるで…調ちゃんと切歌ちゃんみたいだ」
 ザババのギアに選ばれた小さな女の子二人、お互いに想い合い、小さな力と適合係数の低い歪な力は一つになり、大きな力に変わり、共に旋律を奏でた。ザババの片割れの紅刃シュルシャガナを纏う黒髪の少女、月読調。その小さな身体と苛烈だが、その中には、慈しみの心が確かにあり、その口遊み、旋律を紅い閃光と刃に変えて、シェム・ハと戦い、ユグドラシルを瓦解させた七つの旋律を最愛のパートナーにして、同じく、ザババの片割れ、煉獄イガリマを纏う少女、暁切歌とその仲間達と共に奏でた歌姫の一人…
 「調ちゃん…今頃、何してるのかな…」
 シュルシャガナのシンフォギア装者、月読調はユグドラシル崩壊の際、その爆炎の中に消え、現在も行方不明のままだった。切歌は最愛の少女の面影を求め、調の目撃情報を耳にする度に飛び出していった。調のいない空白を埋めるかの様にその鎌から繰り出される翠の閃光は強く、その一撃はより鋭くなっていった。実の妹だけでなく、FISの施設に囚われていた頃から、傍にいた調も失ったと気落ちするマリア・カデンツァヴナ・イヴを励まし続けていた。
 「今日…誕生日なのにね……」
 創世は戦場を駆ける調と会う事はなかったが、いつも、笑顔の切歌とは、対照的の物静かな少女、微笑み掛ける事はあってもその紅い眼光は移ろいでいて、誰よりも傷ついている者だけが見せる表情を浮かべていた。小さな身体には、収まり切らない痛みと悲しみを身の内に秘めているのだと…
 (もっと…話したかったな……)
 人と人とが触れ合えば、傷つかずにはいられない。普通の女の子でしかない自分が馴れ馴れしく、話しても良いものかと思っている間にあの小さな少女は純白の電脳の天使を思わせるギアを纏って、シェム・ハの手で紅く染められた天空へと飛び立ち、手の届かないどこかに消えていた。自分よりも大切なものができたのならば、それは愛なのだろう。ずっと依存していた最愛の少女以外にも、大切な人と触れ合える様になったのも、また、愛かも知れない。だが、創世はその調の想いに応えられないまま、今日まで、過ごしてきた。そして、ずっと親友だった少女、詩織と恋仲になったのを境に段々ともう一人の親友だった板場弓美との間に溝ができた事も感じていた。言葉が通じても、人と人が分かり合うのは、簡単な事ではないのだから…
 創世はコートのポケットからティラノサウルスの化石をあしらった蒼いシリコンケースに包まれたスマートフォンを取り出し、タップすると耳元に当てる。
 「テラジ…帰りはちょっと、遅くなるわ」
 テラジというのは創世だけが使う詩織のあだ名である。彼女らはまだ知る由はないが、十年後に二人共、大人になって、晴れて、婚姻の契りを結んでからもその名で呼ぶ事もあるところを見ると詩織も恥ずかしがりながらも満更ではないらしい…
 「それとさ…調(つき)神社の場所…分かる?」
 創世の突然の質問にキョトンとしながらも詩織は「お待ち下さい」と言って、検索を始める。うさぎ神社の場所と行き方を聞いた創世が通話を切ろうとした時だった。
 「創世さん…最近、未来さんがコートを盗まれて、ポンポンスーで放り出されたそうですから、くれぐれも気をつけて下さいませ!」
 「ヒナがリディアンのコート、無くしたって言ってたのそれか…」
 創世は同級生の女生徒である小日向未来に降り掛かった災難に同情するが、今は自分がその犯人に狙われるかどうかなんて、グダグダ言っている暇はなかったのだった。詩織から送られたマップを見ながら、創世は調神社を目指す…

ログインすると、ステキ!やブックマークができます

ステキ数は非公開です

コメント

ログインするとコメントを投稿できます

是非、コメントを投稿しましょう ほとんどの作者の方は、「萌えた」の一言でも、好意的なコメントがあれば次作品への意欲や、モチベーションの向上につながります。
コメントは作品投稿者とあなたにしかコメントの内容が表示されず、文字制限は140文字までとなりますので、あまり長いコメントを考える必要はありません。

是非、コメントを投稿して頂き、皆様と共にGLを愛する場所としてpictGLandを盛り上げていければと思います。

投稿ユーザー

閲覧制限が掛かった作品です

この作品は投稿者から閲覧制限が掛けられています。性的な描写やグロテスクな表現などがある可能性がありますが閲覧しますか?
閲覧する際は、キーワードタグや作品の説明をよくご確認ください。

これからもっとお話しようね

ガリィに囚われてたハズの調ちゃんが創世さんと再会して、お互いに楽しくお話しちゃいます。結局、調ちゃんは創世さんと引き裂かれた挙句、ガリィに凌辱されるという悲惨な展開に相成ります… シンフォギアXDの調ちゃんのお誕生日祝いのメッセージの中でも創世さんの「これから一緒にお話したいね」という台詞がすごく印象深かったので、書いてみた百合小説です。

戻る

ピンチまたはダブルタップで拡大、ドラッグで移動できます